TOP絵(45)

 

 

 

「驚きましたねぇ、あなたが此処に来るなんて」

そういっていまも昔も自分の憧れである人物は笑った。

 

 

城仕えがイヤになって出てきたのかと思ってましたよ。なのに―――ねぇ?

カール城に来るなんて。ひとりで勉強させられてダイ君はすねてるんじゃないですか。

 

 

笑う先生はあまり事情を知らない。

オレとあいつがさしたる会話もなく別れてしまったことを。

より正確に言うならば、オレが勝手に出てきてしまったことを。

 

微笑む先生は本当はよく知っている。

オレとあいつがいまでも仲のよい友人なんだということを。

それでも尚、オレは自由を求めていたのだということを。

 

 

だって、ほら、やっぱり。

世界は広いのに。

こんなに広いのに。

 

閉じこもってるだなんて―――勿体無い。

 

 

本当は年下の友人だって連れてきたかった。でも、彼が帰還して、

涙目のまま気丈に迎えたお姫様とか、これでもう後継者問題に悩まずにすむと胸を撫で下ろす三賢者とか、

素直に喜んでいる人々とか、そんなのを見てしまうと今更彼を連れ出すのも何となく気が引けてくる。

 

 

それからあとは―――単なる嫌がらせ。

数年前、オレを置いてけぼりにしたあいつへの嫌がらせだ。

 

 

「これからどうするんです?」

「カールの洞窟の探索にでも」

 

問い掛けにニンマリと笑えば流石にびっくりした目で見つめ返された。

命知らずだと言われようと、かの地の奥に何があるか突き止めたいのが学者魂を持つものに

共通の思いであって、先生だって深奥までたどり着いたことがない場所を、伝承では

魔界まで続いているとも語られる―――あの洞窟を極めたくて。

 

 

「またまた難コースを選びましたねぇ。仕方ありません、カールの古文書は門外不出なんですが………」

「あ、それは要らないです。自力でくだりますんで」

「おやぁ? じゃあせめてミエールの眼鏡でも貸しましょうか?」

「いえ………それよりも先生。お願いがあるんです」

 

真っ直ぐ見つめれば穏やかな瞳で見つめ返された。

 

いつだって。

この人がいるからオレたち使徒は何度だって立ち上がることが出来た。

かつての勇者といまの勇者―――

彼らには、実にさり気ない共通点が幾つも含まれている。

たとえば、こんな風に。

 

 

一歩踏み出す勇気を………くれる。

 

 

「ルラムーン草から作った粉を―――オレにも、分けてくれませんか」

 

 

相手の真摯な瞳を受け止めながら希う。

いつでも、地上に戻れるように。

いつでも、あいつのもとへ帰れるように。

いつか、あいつがオレを呼んだ時のために。

 

 

いつか―――………いつか。

 

 

先生はにっこり笑って頷いた。

 

「ええ、いいですよ。好きなだけ持って行きなさい」

「ありがとうございます」

 

オレは深く、深くこうべを垂れた。

 

 

 

 45代目TOPイラスト。珍しくもアバン先生が登場してます。
あれー、おかしいなー、本当はこの人、全然登場しない予
定だったのに………(笑)。さすがに三ヶ月に一度の更新だ
と考えてた構成を忘れさりますねv(爽やか)
 旅立ったポップ君は一先ずカールの洞窟に潜るつもりの
ようです。大破邪呪文が眠っていた場所ですが、あの洞窟
の地下は魔界に通じているのがファンの間の定説になって
ますので(そうなの?)それに倣って話を投げてみましたv
 で、魔法使いを洞窟へ追いやってはみたものの―――こ
の後、どうすればいいんですかねぇ(待て)。今後の展開は
三ヵ月後の自分のみが知る☆ あああ、なんてアバウトな
連載なんだっっ(汗)。

 

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