TOP絵(63)

 

 

 

久方ぶりに正面から見詰めた友人の姿に、

「戻って来い」といわれたことに、

こころが動かなかったと言えば嘘になる。

 

―――だけど。

 

 

「それで? どうなの、ポップくん。キミの考えは」

 

誰よりも信頼すべき姫の問い掛けにひとつ、頷いた。

時間がないなりに洞窟の中を調査してみた。

此処に住まうモンスターが何処から来たのか、何をしようとしていたのか、

これから何が起こるのか。

地上でも似たような騒ぎが起きていると聞いた時に疑惑はほぼ確証へと形を変えた。

ただ、そのまま率直に告げるには憚られる内容だったので。

 

「旅の扉って、知ってるか?」

 

初めは軽いところから始めてみる。

 

「確か、ルーラの役割を果たしてくれる扉よね? かつては盛んに使用されていたけれど、

いまはもう使われなくなって久しいはずだわ」

「そのとーり。むかしは魔法力を持たない人間でも簡単に各地を行き来できるよう

扉は常に開かれていた」

実際、それさえあれば先の戦いもどれほど楽になったか分からない。

選択する場所によっては、馬車も船も気球も何もいらないのだから。

尤も、そんな便利な扉があったら真っ先に魔族に乗っ取られて、却って危機的状況に陥っていただろうけど。

 

「思うに―――何処かの扉が開いちまったんじゃないかと思うんだ」

 

話は、徐々に深いところへと。

 

「何処かって、何処よ?」

「それが分かれば苦労しねーって。でも、そっちじゃ処かまわず魔族が出現してるんだろ?

こっちも洞窟内だってのに敵が徘徊してやがる」

「特定の強固な………あるいは、複数の、扉ってこと? しかも、繋がる先は」

 

「魔界―――だろうな。たぶん」

 

互いに真っ向から睨み合い、嗚呼、オレたちは敵じゃないはずなのになと苦笑する。

黙って事態の成り行きを眺めていたダイも、傍らに控えていたアポロたちも途端に気色ばむ。

そして。

此処で最後に告げるべきは、己の意志だ。

「だから、さ」

息を吸い込んで、ポップは笑いながら何でもないことのように飄々と告げた。

 

 

「オレが閉じて来る。―――その扉を」

 

 

 

 63代目TOPイラスト。手前に不穏な物体が転がってるよーに
見えますが、深く考えてはイケナイ(笑)。
 同じ『ドラ○エ』を原作としてるんなら、『旅の扉』設定があっ
てもいいと思ったんですが………実は管理人、当の原作をプ
レイしたことがないので、『旅の扉』もかなりな部分が適当です
(待て)。小説なら読んだことあるし、シュミレーションゲームブ
ックならやったことあるんですけどね〜(笑)。
 一先ず、ここの設定では「誰もが使えるどこでもドア」(※行き
先限定)とでも考えといて下さいなv

 

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