TOP絵(69)
偵察を行うだけで帰ってくる。それは本当にそのつもりだ。
―――が。
どれだけの時間を要するのか確証はなかった。
「メラ!!」
<力>ある言葉を解き放ち、立ち塞がったキメラをぶち倒した。
ここが洞窟内だとか先は長いとか躊躇している暇はない。
『破邪の洞窟』は降りれば降りるほどに闇と混迷を増して行く。
一匹、一匹を倒すのに手加減していたらこっちがやられてしまう。
一体ずつ、確実に。
それしか方法がないのだから。
(………『扉』が開いたんだとして―――)
かなりの階を下って、小規模のマホカトールで周囲を保護して、
うつらうつらと眠る間に進んだ時間は何日分になるのだろう。
まだ、地上から然程離れてはいないはずだ―――アバンの記録を越すことを密かな目標としていたが。
握り締めた手元の袋には先代勇者から受け取ったルラムーン草の粉が隠されている。
途中、途中で目印がわりに置いてきたこれを使えば、
ある程度の距離まではルーラで一気に帰還できるはずだ。
だから、無茶でも何でも。
(開けたのは魔界側の何者か、ってことか? 人間がうっかり
開けちまったって可能性もなくはないが………)
そもそも『扉』は地中深くに埋められているのだから生身の人間が近づけるはずもない。
だが、魔界側から開かれたのだとしたら、厄介だ。
地上に訪れる災厄の出入り口と化しているそれを閉ざすためには自身も魔界を訪れて
『そちら』から閉じる必要があるだろう。
だからこそ、急ぐ。誰も追いつかない内に、と。
僅かな眠りと休息の後に歩き出す。
再び、地の底へ向けて。
69代目TOPイラスト。以前もこのシリーズ中でポップくんは 戦ったことがあるのですが、なんかもー「とりあえず戦ってる といいよ!」な気分になったので再チャレンジ(謎)。 原作絵に似ない件についてはやはり諦めることにしました。 炎も難しいんだよ………なにゆえ彼の得意技はメラ系なのだ (ヒャド系やイオ系なら描けるワケではないが)。 連作については強引に次回あたりで終わらせてしまいたい 所存。だって、このままじゃ本当に終わりが見えないんだもの (苦笑)。 |