※このお話は1000%捏造です。

※とりあえず日本は解放したけれどもシュナ兄はご健在なんだと考えておくんなまし。

 

 

 然程明るくもない室内でごろりとソファに寝転がったまま映し出される世界情勢を眺めやる。いま現在、モニターを彩るのは何処かで起きた政変、天災、金融制裁、首脳会談の話。いずれも等しく伝達するのみのアナウンサーの顔は自分以上に感情を欠いているようにも見える。
 このところの異常気象で乾ききった気候が招いた山火事。炎が野山を焼き尽くし、住まいを失った人々が悲痛な面持ちで迫り来る火の手を見詰めている。命だけは助かったと安堵するのか、これまでの全てを奪われてしまったと嘆くのか。
 どちらにせよ自分には関係のないことだ。
 国際情勢を伝えるニュースに切り替わったところで、字幕と共に映し出された人物に少しだけ興味を惹かれた。
「見ろ、ルルーシュ」
 同じ執務室にいながらも机に向かったきりで喋りもしない人物に呼びかける。
「シュナイゼルだ」
 呼ばれた相手は静かに振り向いて、自分と同じ感情のない瞳でじっと画面に見入った。
 ………彼は、随分と静かになった。いや、感情が凍てついてしまったと言うべきか。この少年もまた、以前の契約者と同じ道を辿り始めているのかもしれないと考えることはこの胸の焦燥を増やしたけれど。
 画面の中では優雅ななりをした金髪の男が記者団の質問に見るものが見れば分かる適当な答えを返していた。尤もらしく聴こえるそれらの言葉には内実がない、ただ、上っ面だけの。周囲を己の親衛隊にガードさせた彼は会釈をひとつ返して用意されていた車に乗り込んだ。
 いつの間にか立ち上がりモニターを食い入るように眺めていた彼に冷めた笑いを投げかける。
「………何をそんなに怒っている?」
 少年は、声を出さずに怒ることが上手くなった。
 かつては激情を露にすることも多く、それ故にこちらもからかい甲斐があったのに。
「あいつはお前に与えられた命令を忠実に遂行しているだけだ。―――『生きろ』、と。命じたのだろう? それの意味するところを知りながら」
 シュナイゼルの傍に付き従っていた白の騎士。
 日本人である彼が本国の中枢に食い込んでくることに当然の如く周囲は反対した。けれどそれすらも、「どのような戦場からも必ず生きて帰ってくる」軍神ぶりに徐々に囁かれることもなくなって。
 第三皇女の騎士であった彼は今でも第二皇子の騎士になることを拒否していると聞く。それこそが未だシュナイゼルの親衛隊と彼が馴染めぬ原因であり、それだけが黒の騎士団を率いる『ゼロ』の希望でもあるのだ。
 生きようと思いさえすれば生き延びられるだけの能力を有した相手にご丁寧にも『生きろ』と命じた男が此処にいる。
 生を望まなかった者に願いを押し付けた結果倒すにも殺すにも躊躇いを覚える最悪の敵を作り出してしまった男が此処にいる。
 彼が『ゼロ』を選ぶなど、これまでも、これからも、万に一つも有り得ないのに。
「傍らにいるべきは自分だと憤っているのか? やめておけ」
「………」

「あれは、お前のものにはならないよ」

 拳で机を叩きつける音。
 次いで、扉の開く音。
 仮面とマントを纏いながら外へ出て行った気配に、まだまだ「人間らしい」部分が残っているじゃないかと軽く声を上げて笑った。
 だから言ったのに。あの時。
 力を欲した以上は、何かを失う覚悟もしなければならないと。
 それが家族だろうと―――親友だろうと。

「………孤独にすると、言っただろう?」

 


それだけで僕は君を殺せる


 


(どうしてきみがぼくのものじゃないのか、ぼくにはどうしてもりかいできないのだ)

 

※WEB拍手再録


 

こんなC.C.はイヤだ(滝汗)

でも、皇子にちょっと言ってやりたかったもので………すいません、当方は未だ

騎士にかけられた『生きろ』ギアスに納得できていないようです(苦)

 

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