バイオリズムといおうか何といおうか、とにかく、何もかもが上手く行かない日はあるものだ。
例えば出かける時は晴れ渡っていた空が急に雨を降らせるとか、買い物に行った先で所持金が1ドルだけ足りなかったとか、プトレマイオスに帰る輸送船に乗り込んだらエンジントラブルで出発が2時間遅れたとか、腰掛けた椅子が実は椅子ではなく布を張っただけの樽で情けなくも腰がはまる羽目に陥ったりとか。
先日まで遠方の任務についていたから多少の精神的な緩みとか疲れが溜まっていたとは思う。思うが、なんとも間抜けな事態の連続に自身で呆れてしまう。
とかく今日のニール・ディランディは只管についていなかった。
こんな日に任務が入っていなくて本当に良かったと心底思う。他の面々と比べて日頃から貧乏くじを引く率が高い己ではあるが、任務にまで影響与えたりしたら目も当てられない。「………それで、出かけた時と服装が違うのか」
「まあな」
羽織っているジャケットは見慣れた軍隊支給のものであるが、下に着ているシャツの色が違う。今朝方あったときとの相違点はそこだと目の前の少年―――刹那に指摘されて青年は苦笑した。
夕食時を少し過ぎた食堂は人影も疎らだ。
刹那は訓練に打ち込む余りにこんな時間まで夕食がずれ込んでしまったらしい。熱心なのはいいが無理だけはしないようになと、何回目になるか分からない苦言をしつこく少年に語りかけながら、自身は熱いコーヒーを啜る。
いつにも増して苦味を感じるコーヒーに、偶には砂糖でも入れてみようとシュガーポットを引き寄せる。
「でもまあ、今日中に帰ってこれてよかったよ。アレルヤとソーマは先行しちまったが、まだハレルヤは残ってるだろうし」
「新しい任務が下されたのだったな」
「ああ。セルゲイ大佐と途中で合流しながらの偵察だ」
先行するセルゲイに最初はアレルヤが、次にソーマが、最後にハレルヤが、それぞれの専用機体を用いて追随する。余程のことがなければ『ヴェーダ』と遭遇することはなく、戦闘に持ち込まれる可能性は低いというのが予報士であるスメラギの推測だ。
つまりは実戦前の操縦の肩慣らし。だが、目の前の少年は未だそれすらも許されていない。
少年の声に確かな不満を感じ取って、ロックオンは笑いながらコーヒーに口をつけた。
「刹那、あまり焦るな。お前はまだ機体との相性チェックの段階なん―――っ!?」
なんだこのコーヒー。
すごくまずい。否、まずくなった。先程より格段に。
「………お前がいれたのは砂糖ではなく塩だった」
「じゃあ教えてくれよ!?」
「珍味が好きなのかと思った」
あと、いまお前が着ているシャツは後ろ前だと思う。
更に真顔で続けられ、ニールは大きな溜息と共にテーブルに突っ伏した。ヘンなところで遠慮しないでもらいたい。
食事が終わり、廊下で別れる際も刹那は物言いたげにしていたが、生憎とニールには見当がつかなかった。
言いたいことがあるならきちんと言葉にすることも大切だぞ、と、若干の責任転嫁をしつつ青年は執務室へ向かう。途中、立ち寄った自室で目的の物を回収すると共に後ろ前になっていたシャツを直す。
廊下ですれ違う知り合い達と夜の挨拶を交わし、辿り着いた部屋の扉をノックする。
「夜分遅くに失礼いたします。ニール・ディランディ軍曹です」
「開いてるわよー。どうぞ〜」
のんびりした声で許可が下され、彼は執務室のドアを潜った。先ず最初に室内を見回して、頷く。
「今夜は酒盛りはしていないんですね、ミス・スメラギ」
「夜更けに訪れていきなりそれ? 始末書かかせるわよ」
「怖いこと言わないでくださいよ」
プトレマイオス一の予報士に向かって青年は右手の本を高く掲げた。
前々から借りたいと言っていた小説のタイトルを見て取って、スメラギが笑顔になる。
「明日でも良かったのよ?」
「うっかりしてると忘れそうだったので………それだけです」
「ふーん。ま、いいわ。早く読みたかったし、ありがとね」
どういたしましてと応えて青年が部屋を出て行く。
本当に珍しい。普段のニールなら、深夜に女性の部屋に邪魔するのはいけないと考えて、少なくとも翌朝までは待ちそうなのに。
しかも「忘れそう」だって?
彼に限って?
「―――あら?」
晩酌用の酒を準備しながら、受け取った本のタイトルを改めて見て首を傾げる。
確かに、前から読みたいと思っていた書物ではあるのだが。
「いきなり中巻から渡されてもねえ………」
上巻の内容を推理しながら読めってのかしら。
ぶつぶつと呟いて、凡その事情を察した女性は深い溜息を吐くのだった。
(無茶ばっかりするんだから、あの子)
スメラギの部屋を後にしたニールは再び食堂に立ち寄ると、冷蔵庫からアルコール缶を取り出し、甲板へ歩を向けていた。
船は「夜」の地帯に差し掛かっている。星は煌びやかに瞬き、月光が辺りを照らし出す。遥か眼下に広がる雲海に視界を転じれば自身から零れる白い息が重なった。
かなり冷える。
甲板の端に寄り、柵を乗り越えるようにして下を覗き込む。
夜の暗さに紛れ込む見慣れた軍服。足元の不確かさでさえ特殊な訓練を積んだ彼らにとっては然程の障害にもならないのだろう。
「―――ハレルヤ!」
一声、呼びかけて。
答えが返るより早く飛び降りた。船の壁面に僅かに突き出した足場はハレルヤお気に入りの場所である。
着地した瞬間に舞い上がる上昇気流に煽られて少しばかり足が縺れた。身体が浮いたところを腕を掴んで引き戻される。
やや不安定な足場を支えてくれた相手と近距離で目が合う。月明かりを受けた金色の瞳は本当に幻想的だ。
「おお、ありがとな」
「こんな時間にこんなところで何してやがる」
「そいつぁこっちのセリフだな」
明日の朝イチで出発する奴が深夜に甲板で風に吹かれているなんて。
笑いながら隣に腰を下ろすと、ハレルヤもどっかと座り込んだ。正面を見詰めれば広がるのは果て無き雲の海。
本当に何の用だ、と繰り返されたセリフに。
「激励」
にんまり笑って、手元のアルコールを捧げた。ハレルヤが皮肉げに頬を歪める。
「明日から任務が入ってる奴に酒を勧めるのか」
「そう言うなって。折角なんだし、付き合ってくれれば嬉しい」
皮肉げな表情は変えぬまでもハレルヤは飲料缶を受け取った。くるりと指先で缶の側面をなぞり、好きな銘柄だと呟く。
年下の友人の視線が多少やわらいだのを微笑ましく思いながらニールもまたプルトップに手をかけた。
同時に缶をあける。
―――直後。
盛大に中身が泡となって吹き出し、互いの手も足下もびしょ濡れになった。
「………わざとじゃねえだろうな?」
「………そんなつもりは」
ないぞ、と答える言葉は尻すぼみになる。
溢れたアルコールの大半が足下に流れ、一部は風に流されて地上に降り注ぐ雨となり、缶に残された水分は初期の半分以下となっていた。振り回したつもりはないし、シェイクしたつもりもない。あったまってた訳でもないし、これはもう予想しようのないアルコールの暴走だ。
ここまで来てまだ己の不調っぷりは健在なのかとニールは天を仰ぐ。
「すまん。本当にそんなつもりじゃなかったんだ」
「いちいち決まらねえ奴だな、あんたも」
もはや怒るのも馬鹿らしいと諦めたのか、眉を顰めつつもハレルヤが缶に口をつける。
実に申し訳ない気分になったニールは自分のものまで相手に押し付けた。
「やるよ。飲んでくれ」
「あんたの分だろ」
「正直、今日はそこまでアルコールを飲みたい気分じゃないんだ。お前さんに付き合って一本ぐらいならいけるかって思っただけでな」
懐から取り出したハンカチで自分と彼の両手を拭う。傍らの青年が金色の目を細め、不意に、左手をニールの頬に触れさせた。
「―――あんたの明日の任務はなんだ」
「射撃訓練と新人の教習だな」
ちなみにハロはメンテ中である。
「グラハム・エーカーは」
「まだ任務中だが、順調に行けば明日の朝には帰還してるはずだ。あいつに用があるのか?」
珍しいなと首を傾げるニールの頬から手を放し、ハレルヤはつまらなそうにビールに口をつけた。
「ちっくしょ………やっぱりそれしかねえか」
「ハレルヤ?」
「なんでもねえよ」
溜息と共に、先程まで自分たちの手を拭っていたハンカチを奪い取られた。
「洗濯して返すぜ、これ。任務終了後でいいよな」
「―――ああ」
必ず、任務を無事に終わらせて帰って来ると。
与えられた明確な約束にニールは知らず知らず照れ臭そうな笑みを浮かべた。
―――翌朝、ハレルヤは先行部隊と合流すべく出立した。
管制室からそれを見守ったニールは、ほっと安堵の息を吐く。機体の離陸、着陸の瞬間はいつも緊張が増す。飛行中は勿論だが、離着陸時の事故も多いために油断はならないのだ。
しばしレーダーの動きを追い、問題なさそうだと確認したところで射撃練習場へ向かう。本来なら朝食をとるべき時刻だがどうにも食欲がわかない。どうにかパンとヨーグルトだけは口にしたが、刹那やティエリアをとやかく言えない小食っぷりだ。
自分で自分に首を傾げながら練習場で短銃を手に取った。
実弾を使用しないシュミレーションもあるが、ニールは、現実に見て、触り、撃つことを重視していた。この感覚を失えば二度と戦うことはできない―――大袈裟かもしれないが、そんな気がしてる。
真っ直ぐに銃を構えて、的を射抜く。
だが、調子が悪い。
スコアはトレミーの平均値を上回ってはいるものの、『ロックオン・ストラトス』としては物足りない数値だ。ハロがいなくて寂しいから―――なんてふざけた自己暗示にかかっていないことを願うばかりである。
不意に出入り口が開く。
いつ見ても明朗快活な人物が、ニールを見るや否や、ますますその瞳を輝かせた。
「姫、此処にいたのか。3日と16時間と32分ぶりだな!」
「んな細かいとこまで数えちゃいねえよ」
無事の帰還は喜ばしいことだと手を差し出せば、力強く握り返される。ちょっと力をこめ過ぎじゃないかと苦笑が零れる程に。
軍きってのエース、グラハム・エーカーは不敵な笑みと共に頭上を指差した。
「出迎えてくれないから何かあったのではないかと案じてみれば、キミは練習場で銃を撃つことに明け暮れていた! 相変わらずの腕前には唸るより他はないが久方ぶりの逢瀬こそ優先してもらいたいというのが私の切なる願いだ」
「悪いな、熱中してたらしい」
「全くだ! ところで姫」
つ、と今度は足元を指差して。
「靴を左右逆に履いているのはリミッターだろうか。しかして私は告げよう、転ぶ可能性が高いからやめたまえと」
「………」
道理でバランス取りにくいと思ったよ、とニールが呟いたとか呟かなかったとか。
射撃練習場で一旦グラハムと別れてからもニールの調子は相変わらずだった。
新人研修では先週と同じ内容を教えて生徒から指摘され、昼食では好物のジャガイモをすべて床に落とし、紅茶に醤油を入れて悶絶した。
廊下ですれ違う同僚を避けようとしてずっこけて顔面から床に突っ込み、通りかかった荷物運びの台車に背中を引かれ、苦悶の声を上げつつ医務室に向かう途中で上の階から降ってきた洗濯物の山に潰された。
ハロの様子を確認しにイアンのもとに行ったらケーブルに引っ掛かって修理途中の機体に頭から突っ込み、立ち上がろうとして床に置かれていた機械油のバケツに片足突っ込み、シャワー浴びて着替えて来いと隣室のシャワールームに押し込まれてコックを捻ったら出てきたのはお湯ではなく冷水だった。
―――何なんだ!? 一体オレが何をしたと言うんだ!?
勿論、そんなの誰にも分からない。
とにかく朝から晩まで一日中そんな感じで、疲労困憊の体でニールは夜の飲み会に参加していた。今日はフラッグ部隊の―――グラハム所属のチームが無事に帰ってきた小祝いである。宴の中心ではエースパイロットとその部下達が楽しげに杯を交わしていた。
「はあ………」
深い溜息をつきながらニールは室内に設けられたカウンターの隅でちびちびと水を飲んでいた。非常に疲れているためかアルコール類を飲む気にもなれない。
―――と。
本日の主役と評しても問題ない人物がほろ酔い気分でやって来た。
「姫、こんなところにいたのか! 約十時間半ぶりだな!!」
「今朝、会ったばかりだろ」
「だが我々の距離はあまりにも遠い。物理的な距離と心理的な距離のどちらを優先するとならば答えは問われるまでもない。されども精神的なものだけで満足し得ないのがヒトという生き物だ!」
酒が入ったグラハムはいつにも増して饒舌である。
ニールのグラスと自身のグラスで勝手に乾杯し、にこにこしながら隣に腰掛ける。じぃっと澄んだ眼差しを向けられると―――居心地が悪い。
「………なんだよ」
「姫。キミは美しい」
「ぶはっ!」
飲んでいた水を噴いた。
「常々思っていたのだが、キミは自らの美に対して無頓着すぎではないだろうか。白磁の肌も翡翠の瞳も亜麻色の髪も、私の目にはひとつひとつが宝石のように煌いてならない。キミが訪れただけで視界が明るくなる、世界が変わって見える、フラッグと共に空を駆けるより他に興味を抱かなかった私のこころをこれほどに揺らがすとは実に罪深いな、姫よ」
「ちょ、ちょ、落ち着け」
「私は自らがパイロットとなったことを天命と感じている。そしていまは更に運命的な縁さえ感じている。我々の出会いは戦場だった。戦場でなければ運命が交錯することもなかっただろう、あの、タクラマカンの果てしなき砂の海………その中に浮かび上がるキミの機影は即ち女神の降臨だった」
「いやそれは何度も聞いた―――って、いい加減だまれ酔っ払い!」
追い詰めるようグイグイと迫られてニールはいよいよ椅子から落ちそうになる。
周囲の視線は実になまあたたかいし、グラハムの息は酒臭いし、それ以上にセリフはクサイし、もう勘弁してくれと眩暈を感じる。
「キミは自らを女神と、姫と喩えられることを極端に嫌う。だが誤解しないでもらいたい。私はキミに女性的なものを求めている訳ではないのだ。キミが抱く優しさは性別をこえてもたらされるものであり、畢竟、外見と内面の美しさが互いに互いを引き立てる絶妙なバランスの」
「いいからもう黙っとけ!!」
ベラベラと喋り続ける相手の口を強引に両手で塞いだ。
そのまま椅子から引き摺り下ろし、興味深そうな周囲の視線を針の筵の如く感じながら一路、出入り口を目指した。
途中、面白そうにニヤついたスメラギと目が合う。
「………グラハムが酔っ払ったみたいなんで、休ませてきます」
「そう? 気をつけてね」
手を振る相手に一礼を返し、誰にも呼び止められぬ内にと会場を抜け出した。
そういえば、いつぞやは酔っ払った自分をグラハムが介抱してくれたのだったか。懐かしい思い出だ。相手の肩をしっかりと担ぎ直す。
医務室に行くまでもないだろうとグラハムの部屋を目指す。意外と足取りのしっかりしている酔っ払いはふにゃふにゃと訳の分からないことを呟きながらも存外素直にこちらの頼みに従った。
鍵を開け、わりと整頓された室内を横切ってベッドの傍まで辿り着く。
「ほら、ここで休め―――!?」
途端。
ぐるりと回転する視界、叩きつけられた背の痛み、マットの軋み。
瞬きを繰り返す向こう側でやたら真剣なエースの瞳とかち合った。襟首を締められ、咄嗟に呼吸が出来ない。上から圧し掛かられた体勢に呆気に取られる暇もなく、グラハムが素早く右手をニールの顔に近付けた。
「え、な!? グラハ―――!」
ピッ!!
………。
鳴り響いた電子音。
しかも、明らかに、自分の耳元から。
きょとんとした表情のニールに対してグラハムは真顔を貫いている。顔も赤くないし、視線も確かで、こいつもとから酔ってなかったんだ、オレを連れ出すための狂言だったのかとストンと胸に落ちた。
彼が眼前に丸っこい物体を突きつける。液晶に書かれた数字を反射的に読み上げた。
「―――38度9分」
熱か。
熱だな、これは。しかも結構いい感じの………って。
………………誰の?
「あれ………?」
意識した途端、頭がずしりと重くなって。
グラハムを押し返そうとしていた腕までもがパタリと力なくシーツの上に落ちた。深々とした溜息と共にエースが身体を浮かせ、代わりに、あたたかな毛布を被せてくる。
「漸く自覚したかね、ニール。キミは風邪を引いて熱を出しているのだ」
「んなはずねえって………体調管理はきちんと………」
「前回の任務終了時点でキミの相棒が異常を本部に報告している。キミが表向きは問題ない顔をしていることを加味して上層部も目溢ししてくれていたのだろう」
つまり。
このところの不運の何割かは単純に体調不良が原因だったということで。
「は、はは―――」
情けねえ、と呟いて。
ニールは両腕で顔を覆った。自覚した途端に症状が悪化した気さえする。
いつから気付いてたんだ、ハロの報告をお前も聞いたのかと尋ねれば、報告もさることながら確信したのは射撃練習場で見かけてからだと答える。
「常の姫ならば命中率が95%を下回るなど天地がひっくり返っても有り得ない。だからこそ私は、かの独立AIの懸念通りに未だキミが復調していないことを知ったのだ」
それから、とグラハムがモバイルを差し出した。
「ハレルヤ・ハプティズムからも忠告があった。キミのことが心配ならば決して傍から離れるなと」
「………至れり尽くせりで泣けてくるぜ………」
むしろ己の至らなさに泣きたくなってくる。
ハレルヤは、昨日の時点で既にニールが発熱していると気付いていたのだろう。彼の渋面の意味が今更ながらに理解できた。
甘やかされてんなあとの自嘲に、もっと甘えたまえ、と真顔で返された。
「今日はここで休むといい。例え空から槍が降ろうと『ヴェーダ』が襲ってこようとも私の傍にいるのが一番の安全だ」
「ははっ! すっげえ自信………」
でも、確かにそうかもしれないな、と。
ニールは薄く笑うと全身から力を抜き、安らいだ心地のまま熱に潤み始めた瞳を閉ざすのだった。
額に置かれたグラハムの手は、自分よりずっと体温が低いはずなのに、不思議とあたたかく、大きく感じられた。
|