どう応えたらいいのか教えてほしい。
― イラエ ―
「なぁなぁ、藤吉郎。俺のこと好き?」 「………は?」 前触れなしの突然の質問に。 「それってどういう………」 たまの休日、静かな昼下がり。 「嫌いなワケないじゃん」 わかってくれよなー、と。 「俺は『一番』好きになってもらいてぇんだけど」 にへっと笑うその姿は案外幼くて、ああ、どうしてこんな無邪気な顔して笑えるくせにこんな仕事してるんだろうと思うと、本当に本当に俺はどうしようもなく。 ………嫌いじゃない。 でも、多分、それは。 「ま、でも無理だろーな」 あっさりと引き下がってまた手にした枕を強く抱きしめて………蕎麦殻の枕なんて痛いからやめればいいのに。 「主人って意味ではバカ殿が一番だし家族では秀吉が一番だし女じゃヒナタ、とヒカゲが一番だし。あーあ、俺ってばホントに居場所がねぇのー」 チラリとこちらを覗き込んだ目はひどく静かで。 「だって、主人や家族に何かあったら、友人よりはそいつらの方を優先するだろ?」 え〜っと………。 即答できずにしばし考え込む。 ………そんなこと、ない。 けれど、多分、それは。 「だからさぁ、藤吉郎」 ゆっくりと身体を起こした相手は気だるげにこちらを見つめて。 「俺のこと憎んでよ」 口にする―――全てを壊すための言葉を。 「………え?」 笑う。 ああ、頼むから。 「他のことなんて何にも見えなくなるくらい憎んでくれよ。そうしたら俺、笑ってお前に殺されてやるから」 「憎くて憎くて憎くてたまらないって俺にだけ叫んでくれよ。なぁ、追いかけてくれないかなぁ。そんなコト」 「想像するだけで俺ってば結構キちゃうの。嬉しくてたまんねーの。それでもさぁ―――やっぱダメ?」 喉が痛い。口の中が渇く。 「俺が―――俺に、お前が憎めると思って言ってるのか?」 あっさり首を横に振って、けれど。 「でもな、憎まなきゃいけないんだ。お前は」 目の前に両手を差し伸べる。 「此処に来る前、俺が何をしてきたか知ってるか………?」 僅かに俺は目を見開いて動きを止めた。 目で訴えかけたって、意味はない。 手を洗ってきたのは何のためなんだろうとか。 何をしてきたのかなんて、聞けない。 でも、お前は。 「大切な奴が殺されちまったらぁ………」 ―――それじゃ、満足できなかった? 「憎むしか―――ないだろ?」 そして笑う。 ああ、頼むから、どうか。 黒衣に染み付いたその跡を見て見ぬフリをしてきた。 俺の―――………。 「楽な仕事だったけど、俺にとっちゃあ結構真剣なおシゴトだったわけよ。だから………応えを聞きたいな」 お前のことだけ追ってお前のことだけ考えてお前だけを求めてお前だけを望んでお前だけを。 頬を包んでくる手は案外あたたかい。 「ねぇ、もう、頼むから」 胸元に乗せていた本がパサリと床に落ちた。 ―――どう応えたらいいのか教えてほしい。
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こんなんゴエぢゃねぇ(汗) ← 第一声
何やってんすか、五右衛門さん。
つーか何をしたのか明確な描写がないためにマジで分かりません(苦笑)
まぁ多分ヤっちゃったんでしょうなぁ。「誰を」とは指定しませんが。
でも日吉が確実に怒りそうな対象つーたら殿か秀吉かヒナタ(ヒカゲ)だと思うのですよ。
だからそこいらの人が犠牲に(気楽にゆーな)
本来当方の中では五右衛門は「理性の人」なので、こんなブチ切れた行動は取ってくれません。
一歩引いたところから眺めて「お前を思う苦しさが俺を生かす」とか何とか言ってそーです(それもヤバイ)
でもまぁ多分時には破壊衝動にかられるよーなこともあるよーなないよーな当たるも八卦当たらぬも八卦。
尤も最も、今回一番問題なのは、前半の雰囲気が何処となくほのぼのしてるってことだよナー。