戦に病に老いに別離。
盗みに力に騙して裏切り犯して殺す。
お前のいるこの世界は最悪で。
お前のいない世界もやっぱり最悪なんだろう。
― さいあくな世界 ―
「しつもーん………」 俺が大嫌いなそのお前、と前置きひとつ。 「じゃあどうしてお前は、そんな俺と一緒にいるんですかー?」
「………仕事だからだろ」
笑いながらも声は切実。 「早く、帰んないと」 思い浮かべた相手は此処にはいない。 餓えて乾いた、主君の側に。 「………乾く、か」 だから、きっと。 「―――そんなん、お断り」
「俺もお前も乾くにゃ早すぎる。行くだろう?」 ―――お前のいる世界。 「………抜かせ」 ―――さいあくな世界。 「テメェとひとくくりにするな」 薄汚い、綺麗な面などなにひとつない世界。
だからこちらも微笑み返す。 「お前には―――なにひとつ、やらねぇよ」 差し伸べられることのない腕の遥か彼方に此処にいない誰かの面影を透かし見ながら。 |
「精神的に行き詰ってるときにイイ話は書けない」を見事に体現してしまいました。あああああ。
状況としてはどっかの戦場で屍に囲まれながら寝転がってるゴエと秀吉って感じでしょーか。
微妙に周囲の景色がデンジャラス。
てゆーかお前ら、もしかしてこの場面は負け戦じゃないのか(笑)
あまり細かく考えてなかったけど、織田の軍勢が敗れるので有名なのは金崎の退き口とか石山合戦とか、
一向一揆との小競り合いとかかなあ。
どちらにせよ、現場に日吉と殿はいないとゆー方向で。
自分がいてもいなくても変わらない、そんな世の中にちょっとだけ切なさと悔しさと喜びを感じてしまうのでした。