※リクエストのお題:なんかごたごたしつつも明るい話。

※ごたごたどころかむしろスッキr(ry

※突貫で仕上げたらものすごーく短いお話になりました。申し訳ない。m(_ _)m

※一応、転生パラレル設定です。

 

 

 

「だからさ! 今度の休みに皆で何処か行こうよ!」
「………そうは言うけどね、ジョミー」
 再会して未だ間もない相手の言葉を耳にしながら、ソファにゆったりと腰掛けたブルーは首を傾げて見せた。相変わらずこの子は前触れがあるようで前触れがない、思い立ったが吉日とばかりに行動する。それが見ていて楽しくもあり、面倒でもあり、ブルーを飽きさせることがない。
 ジョミーの手にはメモ帳とペンが握られている。意見を募って後で検討するのだろう。
「皆と言うのは誰のことまでを言うのかな。フィシスは激しい運動はできないし、リオやハーレイ達は働いているから休みはなかなか揃わないよ?」
「でもさ、折角だし。祝日なら休みだって取りやすいよね、きっと!」
 きらきらと輝く瞳の強さはあの頃から―――白い船の中での生活を余儀なくされていた頃から変わることはない。彼の強さに救われた身としては彼の願いならばできる限り叶えてやりたくなってしまうのが真情だ。
 しかし、どうしても難しいことはある。それこそひとつの船団内で共同生活を送っていた頃ならば一緒に休憩を取ることだって容易にできたろう。けれども『現在』においては個々の生活があり、立場があり、職業があり、すべてが思い通りに運ぶ訳ではないのだ。
 だが、それでも。
 テーブルから取り上げたカップにはあたたかなコーヒーが注がれている。香りは極上、淹れ方はプロ並み。そこらの喫茶店より余程に美味い。なのに彼ときたら差し出された飲み物に手をつけることなくこちらに詰め寄っているのだから、少々勿体なく感じた。
「………僕からも相談してみるけどね」
 いまでもブルーが『ミュウの長』として集合の命をかけたならば、彼らはすぐにでも駆けつけてくれるに違いない。過去生において築き上げた仲間意識というのは早々消えるものではないのだ。だが、そんな過去の繋がりをなぞるかのような行為は、いま、この時においては避けるべきであるとも感じていた。密かにミュウの仲間たちを集め、政府の手に拠らない独自のネットワークを構築し、かつての『人類』側のトップの動向に気を配っている己が言えた口ではないのだが。
「とりあえず、ジョミー。せめて行く先だけでも候補にあげてくれないか。それによって皆の都合のつけ方も変わってくるだろうから」
「了解! あー………でも、どうかな。色々考えてはいるんだけどさ。カリナとかニナも連れて行こうと思ったら遊園地とかショッピングモールとか映画がいいんだろうけど、フィシスには難しいよね。動物園とか水族館とか植物園とかも無理かなあ」
「彼女に対する配慮は必要だが、遠慮ならば不要だよ、ジョミー」
 悩み始めた少年に微笑みかける。
「最近は視覚障害者や聴覚障害者に配慮した施設もあるからね。実際に作品に触れることを許可している美術館だってある。その場合は当然、事前の申請が必要になるけれど―――彼女は何も『みえない』訳じゃない。僕らには想像もできないが、彼女は目が不自由である代わりに聴覚や嗅覚は僕ら以上に優れているのだ。必要以上の遠慮と気遣いは返って失礼に当たるんじゃないかな」
 それでも心配ならば僕が直接フィシスに尋ねてみるよ、と続ければ。
 まるで太陽のような笑みをジョミーが浮かべた。
 例えばこの先にどんな苦労が待っているとしても、ただそれだけで満たされてしまうのだから本当に幸福とは簡単なものだ。
「ありがとう、ブルー! 詳細が決まったらまた相談しに来るからさ!」
 今日は急に押しかけてごめんねと最後は礼儀正しく一礼してから少年は踵を返す。
 扉が閉まる音、階段を駆け下りる音、遠ざかっていく気配を目を閉じて追いながら再びコーヒーに口をつけた。
 ―――と。
「ブルー………敢えて口を挟むのは控えていたのだが」
 部屋の奥から物凄く感情に乏しい声が響いた。

 


ノーイング・アンノーイング


 


「何故お前たちはわざわざ生徒会室で相談するのだ」
「そんなの直接ジョミーに尋ねてくれたまえよ、キース」

 

 


 

この場合、そもそもブルーが生徒会室に入り浸っていることが問題です(笑)

勿論コーヒーはマツカが淹れたものですとも!

 

部外者その1(ブルー)と部外者その2(ジョミー)の乱入を許し、あまつさえ個人的

事情でくっちゃべっているのを見逃してやるキースは優しいのか呆れているのか

既に慣れてしまったのか何なのか。

 

こんなんでも、少しでも楽しんで頂けたなら幸いですーv

リクエストありがとうございました♪

 

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