並んで白いシーツに腰掛けて。 手を合わせる。 触れた先は互いに白い布で覆われている。 血の色を透かした瞳で彼が微笑む。 「緊張、しているのかい?」 「―――違います」 瞼を閉じた。 彼を信じている、深く祈っている、未来を願っている。 彼の素肌が身に着けた白い手袋よりも尚透き通っていることを知っている。 こんな、折れそうな指で。 どれだけの星の海を漂ってどれだけの仲間を救ってどれだけの救えない命に苦しみながら歩いて来たのか。 微笑む彼の表情が微かな苦笑へと切り替わる。 「どうして泣くんだい?」 「なんでも………りま、せ………っ」 震える声も、震える肩も、震えるてのひらも情けなくてますます泣きたくなる。 勝手な感傷だ。 それでも、彼は笑うから。 ありがとう。僕たちの代わりに泣いてくれるのかと。 泣き出しそうな瞳で泣かないままに穏やかに笑うから。 重ね合わせた手に力を篭めて彼の手の細さとやわらかさを感じ彼の意志の強さと存在の儚さを感じ避けようがないその日の到来を歯を食い縛りながら待ち受けるしかないのだ。 せめて。 せめてあと少しとそれだけを唱えながら。 |
041.砂時計の落ちきるまで
|
※WEB拍手再録
どうして私が書くとジョミーが情けなくなるのか………そして、どうして
私の作品には人名が登場しにくいのか(特にミュウ側)。
一先ずこのふたりはプラトニックでいいんじゃね? と思った次第。
がっつりエ○も好きですが。 ← 台無し