090.ゆずれないもの
赤い魔本の表紙を撫ぜて微かに清麿はため息をついた。このところの連戦でさすがに疲れ気味だ。残っている魔物たちのレベルが上がっているから、尚更。 それでも戦いから身を引こうなどとは思わない。 優しい王様になるのだと涙した彼のために死力を尽くそう。 もう二度と、彼が泣かずにすむように。 自分が傷つくたびにガッシュはひどくつらそうな顔をするけれど、清麿からすればいつだってガッシュの方が余程ボロボロじゃないかと思う。回復力の優れた魔物だからってそれはないだろうと言うぐらいにいつだって傷だらけで、その大半は生身の人間である己を庇った故のものだから歯痒くてならない。 だからせめて、己は死力を尽くそう。 彼が傷つく度に己の無力さが悔やまれてならないから、 逃げられないし逃げる気なんてもとからないのだけれど、 だって、きっと。 「彼」の願う「優しい王様」はどんなモノも見捨てない存在のはずだから。 |
原作は立ち読みばっかで通して読んだことがありません☆ ← ナメてんのか、われ。
これを書いた丁度その頃に本誌で清麿が生死の境を彷徨っていて掲載を見合わせた作品です(苦笑)。
だっていきなり本誌で「本の持ち主が死んだなら………」とか想定しだすんだもんヨ。
どうしようかと思ったですヨ。
この作品は本誌+アニメで内容を乗り切っています。故にところどころ辻褄あってないかも
しれませんが、その辺はどうかご容赦くださいねv
ってゆーか、100のお題の作品はほとんどがそんな感じだ………(汗)。