「戦え! ボクらのコロクンガー!!」

30.THE BLACK KNIGHT !(2)

 


 ふらふらと頼りない足取りで日吉はやたら歪んで見える廊下を歩いていた。

(あれ………? オレ………)

 何処に向かっているのかは分かる。この先の部屋にはブラック・ボックスが安置されている。

 だが、どうして向かっているのかとか、向かった先で何をするつもりなのか、となると霞が掛かったよう

になって何も考えられない。見知らぬ誰かが勝手にこの身体を動かしているような感覚。下された命令

に従うだけの操り人形のような。

 一方で、頭の片隅で鳴り続ける警笛のような悲鳴。

 誰かが、必死になって、何かを止めようとしている。

 覚えのある声だ。自身の声に似ている気もした。止めようとしているのは、未だまともな思考能力を有

している己の深層心理なのだろうか。

 視界も何処かぼやけていた。

 扉に設置されたロックに暗証番号を打ち込んで解除する。ミシミシと音を立てながら扉が開き、他のも

のは何一つ存在しないだだっ広い部屋の只中に、透明なカプセルを被せただけの状態で安置されたブ

ラック・ボックスを通し見た。

 フタを開けて黒い立方体をそっと持ち上げる。僅かにてのひらと物質の間で火花が散ったように思え

たのは気のせいか。

 常ならば聴こえないはずの音を耳が聞き分けている。何処かで、誰かが、笛を吹いている。笛の持ち

主が指示する、「それを持って来い」と。「手渡した上で従うがいい」と。

 感情の一部が反発している。自由にならない身体を動かそうと必死に暴れている。

 一方で凍てついた感覚と感情が勝手な行動を起こす。

 大事そうにブラック・ボックスを抱え込んだ日吉はいま来た道を引き返す。倒れる仲間たちに眼もくれ

ず只管に前方を見据えたまま、行く先は建物の裏口だ。重たい扉を押し開けた向こう側に相手が待っ

ている。

 シンとした暗闇の中、ほとほとと歩みを続けながら鉄条網の手前でピタリと歩を止めた。ぼんやりと佇

んでいると、突如、丁度通り抜けられる程度の広さに網が切り裂かれた。闇に舞うしなやかな黒い鞭。

 パシン! と先端を道に叩きつけて女が笑った。

「よくやったわ、日吉。そのままこちらへいらっしゃい」

「―――」

 見知った顔だ。

 誰かが警告している。

 けれど、僅かずつではあるが確実に彼女のもとへ自分は近づきつつある。

「ここへ。―――そしてブラック・ボックスと共に、我らの基地へ」

 日吉の戸惑いを余所に幻夜は深い笑みを刻み込んだ。








 モニタに映し出される画像を見ながら天回は頬を歪めた。

 全ては、順調。

 全ては、計画通り。

 ブラック・ボックスと、あの少女が有するデータさえ解析すれば最早敵はない。鍵となる『トキヨミ』の遺

産はこちらの手にある、時空改変の手段さえものにしたなら防衛隊が幾ら抵抗しようと無駄なこと。

 低く笑いを零していた天回は、すぐ傍で上がった宙象の戸惑いの声に我に返った。

「どうした?」

「いえ、それが―――」

 思うように調節がきかないのです、と聊かの焦りを表しながら部下が答えた。別の制御装置の前で心

眼も首を傾げていた。

「ヒ………制御………動くべきところで………!」

 改めて画面を見つめれば、とっくに幻夜と共に<ゲート>の転送範囲内に入っているはずの少女が

未だ鉄条網の前で静止している。本来なら疾うに転送が完了している頃合なのに。

 建物内に打ち込んだ睡眠薬は広範囲に行き渡らせることを優先したために密度が薄く、従って効き

目も短くなっている。モタモタしていたら誰か目覚めて通報してしまうかもしれない。敵が眠っている内

に全員殺しておくべきだったか? いや、それもまた時間がかかりすぎる。ましてや―――自分たちで

はブラック・ボックスを持つことは出来ないのだから。

 かつての『三大悲劇』に喩えられる『時空間震動』に僅かなりと繋がりを持つ人間でなければ、ブラッ

ク・ボックスはその所有権を認めない。

 苛立たしげに天回はコンソールに手をついた。

「何をやっている!? 早く戻れ!!」

「いま行っております!」

「波長が弱いのではあるまいな!? 連中の大脳がどうなろうと構わん! やれ!」

 双子に共通で流れている『時空間』の波長を利用しての命令だ。迂闊に扱えば何処かに弊害が出る

と知りつつも、形振り構わず天回が出力レバーを全開にしようとした時だった。

 ―――ほんの、かすかな。

 掠れた笑い声が聞こえたのは。

 はっとなって振り向いたのは既に事切れていてもおかしくないほどの重症を負った少年が座す場。未

だ顔は俯いており、表情を窺うことは叶わない。だが、確かに、先まではピクリともしていなかった肩が

微小な動きを示している。宙象も、心眼も、驚愕の眼差しで相手を見つめる。

 まさか。

 まさか―――あれだけの深手を負いながら。

 紡ぎだされたごくごく控えめな言の葉が何故か朗々と響き渡る。




「へっ………操られ、て、なんか―――バカらしく、て、よ」




 意地のように引き上げられた面に黒い瞳が炯々と輝いている。

 ヒタと睨みつけられて瞬間的に天回が怯んだ。

「き、貴様っ、いつの間に!」

「オレを―――通じ、て………んざ、ヘドが、出る………っ!」

 死んでも貴様らの言うことなんざ聞くものか、と、いままさに死にそうな傷を負った少年が気を吐く。

 ピシピシと背後の透明な水晶体を揺らしながら、強制的に脳内に注ぎ込まれる波動に抗いながら、歯

を食いしばり、拳を握り締め、叫ぶ。

「起きろ! テメェはこんなんにやられるタマじゃないだろうが!?」

 瞬間。

 モニタ画面がエラー数値を叩き出した。








『―――起きろ! テメェはこんなんにやられるタマじゃないだろうが!?』




「っっ!!」

 突如、頭をブン殴る勢いで意識内に叩き込まれた絶叫に眼を閉じた。『現実』では有り得ない声が『現

実』よりも確かに鼓膜を揺るがした。ガンガンと鳴り続ける頭の痛みに歯を食いしばりながらも、ふらつ

いた身体を支えるため足を動かした時、ようやっと日吉は感覚を取り戻した。

 しばしの瞬き、暗い空を見上げ。

「………秀吉………?」

 口調は疑問系でも確信していた。

 いま此処に届けられたのは、確かに己が「半身」の呼び声であると。

「バカな! どうして催眠が………!?」

「―――お前!」

 クリアになった視界と思考に眼前の敵を認識した日吉は叫んでいた。

「生きてたのか、オバン!」

「いちいちうっさいのよこの双子がぁ!!」

 かつて同様のセリフを秀吉からかけられた幻夜が頬を引き攣らせつつ鞭を地面に叩き付けた。何が

起きたかは不明だが、とにかく、自分の任務はこの防衛隊員とブラック・ボックスを持ち帰ることにある

のだと認識を改めて。

 手にしていたブラック・ボックスに驚きながらも、これを渡すワケにはいかないと日吉もくないを構えて

睨み返す。

(でも、こっちのが不利だ)

 互いの攻撃可能範囲を考えた際、敵に接近せねばならぬ側の方が危険に決まっていた。遠距離攻

撃もできるがくないは投げて外れればそれで終わりなのである。まして腕にはかなり大きめな黒い箱。

すべての事務員が倒れたと仮定すれば救援は望むべくもなく、本部にいる他隊員に連絡するほどの暇

を相手が与えてくれるとも思えなかった。

 なら―――先手必勝!

 黙って睨み合い時間を稼いだとて逆に敵の援軍が到着しないとも限らない。

 即座に後ろへ飛び退った日吉は壁に貼り付けられた旧式の消火器を取り上げた。

「くらえ!」

 カシン! と栓を外せば勢いよく白い煙が噴き出す。

 悪態をつきながら幻夜が鞭を一振りすれば、煙はあっという間に吹き飛ばされた。大したことはないと

余裕の笑みを刻みかけた瞬間。

「!」

 下から斬りかかってきたくないの先端を慌てて鞭の柄で受け止める。至近距離で睨み合う少女の手

に例の箱は見当たらなかった。

「おのれ! ブラック・ボックスを何処へやった!」

「………何処だと思う?」

 力負けしそうになりながらもギリギリのところで日吉は笑う。だって殿も五右衛門も言っていたではな

いか。『苦しい時ほど笑ってみせろ』、と。実際は適当にそこらに放っただけの箱に敵が気付くより早く

決着をつけねばならなかった。

 拮抗する力と力は互いを身動き取れなくさせている。咄嗟、力を弱めて敵の疑問を誘った直後、日吉

が握り締めたのは足元に転がしておいた先刻の消火器。

 ガン!!

「ぎゃっ!!?」

 思い切り振り回した消火器が敵の即頭部にヒットした。たまらず転倒した姿に僅かな罪悪感を抱きな

がらも更に消火器を振り上げる。

(気絶させなきゃ!)

 ―――だが。

「いつっっ!?」

 突如襲った猛烈な痛みに今度は日吉が倒れ伏す。眩暈がする、吐き気がする、視界が定まらない。

 胸中に鳴り響く警鐘と悲鳴は切実なものになりつつあった。

 まさか―――秀吉!?

 彼の身に何かあったのか。揺らぐ視界の先、ゆらりと立ち上がった幻夜にどうにか睨みを返しつつ、

日吉は手元の武器を探った。








「いい気になるな、所詮貴様は我らの手ごまに過ぎんのだ!!」

 秀吉の叫びに一時は怯んだ天回が、怯んだ事実を否定すべく殊更に居丈高に言い放つ。

 掴んだ出力レバーを限界まで引き上げた。

「っっ!!」

 脳内に雪崩れ込む激しく重い感覚に堪らず秀吉は歯を食いしばった。取り戻しつつあった思考が、身

体の自由が、再び己が手を離れていくのを感じる。ダメだ、耐えろ、ここで己が乗っ取られたならそれ即

ち日吉が乗っ取られることを意味する。

 意識どころか命のともし火まで消えかかった時―――遠くから響く日吉の声を聞いた。

 何故思い通りに動けないのか、どうして自分はこんなことをしているのかと嘆かねばならない、理不尽

な命令に従うつらさを彼女に味あわせることは出来ない。

 だから、せめてもと力を振り絞って意識を取り戻した。

 だが、怒りと苛立ちを糧に意志を復活させたところで血を流しすぎた身体は冷たく、抗うにも体力が不

足しすぎていた。

 再び霞み始めた意識と視界の向こう側に見えるはずのない景色が見える。

 いまは夜の闇に閉ざされた地上の風景。疎らに見えるビル街の灯り。遠目に望む臨時の基地。そこ

に佇む影がひとつ、傍に蹲る影がひとつ。

 誰よりも大切な人間が、襲い来る頭痛に脂汗を流しながら懸命にくないを構え、後退りしながらも箱を

守護しようとしている。

 頭部から血を流しながら敵の女は冷酷に宣言した。

『所詮………お前らなど我らにいいように使われる道具でしかないのよ』

 鞭が一閃、手元のくないは弾き飛ばされる。女が隠し持っていたロープで箱と共に乱雑に縛られて、

<ゲート>付近へと引きずられていく。必死に日吉は抵抗しようとしているのだが状況が状況だ。ただ

でさえ体格差がある上に常に頭痛に見舞われブラック・ボックスも守らなければならない―――独力で

なんて、そんなの、とても。

 ここで、何故彼女の周囲に他の実働部隊がいないのかと疑問が生じた。

 が、そんな思いすらも塗り潰す勢いで強制的な命令が侵入してくる。

『<ゲート>に入れ』

『ブラック・ボックスを抱えろ』

『自身では手にすることの叶わない我らの代わりに運び手となれ』

 ―――冗談じゃない。

 こんな、こんなことのために、彼女のもとを離れたのではない。いいように使われるために洗脳が解

けてからも敵陣に留まったワケではない。

 連中の高笑いが聴こえた。動かない身体に悔しさが抑えきれない。嗚呼、意識が薄れる。次に眼を閉

じたならばきっともう二度と戻れない。

(チクショウ………っ)

 呟きは言葉にならなかった。

 意識が白く塗り潰され―――だが、完全な白に支配される直前。




 黒い影が意識下に割り込んだ。




「え………?」

 頭上に射し込む影と、背後の壊れた装置から流れ出すエラー音。頭部に取り付けられたヘルメットか

ら伸びたコードを全てぶち切った漆黒の腕が壁にめり込んでいる。

 驚愕に眼を見開いて秀吉は呆然とその名を呟く。

「―――ブラック………?」

 己の、半身として。

 敵から与えられた漆黒の機体が堂々と佇んでいた。

 ゴッド・オリハルコンで作られたロボットは秀吉の指示を受けることでのみ動き、即ち、秀吉が精神統

一すら儘ならない現状において。

 自己判断で、など。有り得なくて。

「地下倉庫に封じておいたはず………!?」

 動揺も露な天回の声が響く。心眼が急ぎ主を安全な場所へと引きずり、それを追うようにブラック・コ

ロクンガーが左腕を振り下ろした。

 ガッ!!

 対象こそ外したものの隣の機械を直撃し破片が飛び散る。宙象が苛立たしげにコントローラーを手に

するが、元より秀吉にシンクロさせてある機体だ、他のロボットを操作するのとはワケが違う。殴られよ

うが銃で撃たれようが何ほどでもない。

「何故だ、何故動く!?」

 そんなのこっちが聞きたいぐらいだ。

 壁に埋め込まれたままだった右腕を引き抜くついでに漆黒の機体は秀吉の手足に絡んでいた枷も破

壊する。かなりの重量があったメットを外し、呆然と秀吉は相手を見上げた。

 これは、己が命じた結果じゃない。

 あくまでもコイツ自身が考え、コイツ自身が決めたこと。

「ブラック………?」

 再度訝しげに問い掛ける彼に向かってブラック・コロクンガーは己の胸元をひとつ叩くと、開かれた内

部装甲からバラバラと何かを取り出した。地に膝をついたままの眼前に降り注いだそれらに秀吉は呆

気に取られる。

 制服の上着と、藤色の下げ緒がついた日本刀。

 洗脳された当初より決して秀吉が手放そうとしなかったモノ。

「―――お前」

 手元に刀を手繰り寄せながらいまにも消えそうになる意識と戦う。遠くから響くのは何かが爆発する

音と、宇宙人の部下達が慌てふためいて指示を下す声ばかり。

 なんとなく分かった。

 コイツは、閉じ込められていた地下から脱出する際に―――どうして分かったのかはともかく―――

秀吉の身に着けていたものを回収し、周囲を破壊しながら此処にたどり着いたのだ。直前まで天回た

ちが気付かなかったのはここが最深部であるが故に伝達が遅れたか、ブラックの行動が迅速に過ぎた

かのどちらかだろう。




 だが、いずれにしろこれだけは言える。

 ブラックは自らの意志の赴くままに行動した―――秀吉の命を待つことなく。








「何かあったの!? 返事をして!」

 空を見上げながら幻夜は舌打ちした。頭部に食らった一撃のおかげで意識も朦朧としている。早く回

収してもらわねばならないと言うのに。

「くそっ! 離せ!!」

「黙りなさい!」

 足元に転がる少女に一喝し、口元を歪めると、幻夜はブラック・ボックスと一緒くたにした日吉を転送

可能範囲内に押し込んだ。此処に入った直後に向こうから<ゲート>を開いてもらう予定だったが仕

方が無い。これだけ呼びかけても返答がないのだ。上でも何か起きていると判断すべきだろう。

 さいわいにして転送用の<ゲート>は己も常備している。

 高々と腕を上空に掲げて叫んだ。自らの肉体が粒子単位へ分解されていくのを感じながら。

「開きなさい―――<ゲート>!」

 周辺一円が白い光に包まれた。








「って、え、おいっ!?」

 いきなり軽く掴み上げられて慌てる。心眼や宙象からの絶え間ない銃撃より秀吉の身を庇いつつ、ブ

ラックは廊下を揺るがない足取りで走り出した。立ちはだかる壁をぶち抜きロボット兵たちを薙ぎ倒し、

何に遮られることなく疾走する。正面に出現した鋼鉄製の扉を力でこじ開けた。

 漏れ出した白い光に秀吉は目を細める。

 そこは転送用の部屋だった。基地内に何箇所かに設置された、ここと地上を繋ぐための<ゲート>

が行き交う部屋。




 ウゥ―――………!!




 基地全室に警報が鳴り響く。特別警戒警報、これは、基地全体の高度が下がり始めたことを意味し

ている。もしや機関部を破壊したのか? と声なく問い掛ければ、やはり声はないものの僅かに瞳を光

らせてブラックが答えた気がした。

 胸元に抱え込んでいた秀吉の身体をそっと<ゲート>を意味する白い円の中に置く。

 垣間見える廊下からやたら大きな声が届く。

 ―――原材料が何であろうと知ったことか、起爆装置が仕込まれている点は同じだ! 壊せ! あん

な使えない道具などもう要らん!!

 ―――しかし、ここで壊しては基地も相当の痛手を………!!

 ―――このまま奴を放置する方が脅威だ!!

 確かに、放置する方がマズイだろう。グングンと高度を落としつつある基地には安全装置も取り付け

られているから海にでも軟着陸することと思われるが、中にいるモノたちはかなりの衝撃を受ける。そ

れに加えて衝撃を物ともしないブラック・コロクンガーに暴れられては手のつけようがない。

「………っ、ブラック!」

 ようやく戻ってきた思考回路で先を読んだ秀吉は相棒を見上げる。

 漆黒の機体と赤い瞳をしたロボットは何も返さなかった。ただ、白い円環の近くに設置された起動装

置を『彼』に出来うる限りの弱さで叩いて、それをスタートの代わりとする。

 途端、自身の身体が粒子に分解され始めたのを感じて秀吉は慌てた。

「ま、待て! ブラック! このままじゃお前………っ!!」

 必死の声に惑うことなくブラックは自らが壊した扉を自らの手で建て直し、転送室へフタをした。それ

でも塞ぎきれなかったいびつな隙間からロボットの真紅の瞳が垣間見えて。

「………っ!」

 ―――その時。

 自分は、『彼』をなんと呼ぼうとしたのだろう。

 粒子単位に分解された秀吉の身体が消え失せると同時、天回らの手によって起爆装置を作動される

より先に。

 何処か満足げに真紅の瞳を明滅させて。




 オォォォォ―――ン………!!




 遠く、長く、咆哮を上げたのち。

 ゴッド・オリハルコンで作られた漆黒の機体は粉微塵に弾け飛んだ。








 天より地上へ向かう白い光と。

 地上より天へ向かう白い光が。

 対照的な弧を描きながら交錯する中を、黒煙と赤い炎を上げながら球形の基地が落下していく。海面

に突き当たり周辺に津波を引き起こしながら暗い潮騒に奇妙な静けさと叫びを孕みながら。




 ―――『彼』が何を思い、何のために行動したのか。

 その理由を知る者は誰もいない。

 

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つーわけで(?)今回の作品タイトルは秀吉のみならずブラック・コロクンガーのことも暗示してたのでしたー♪

BKに何らかの「自我」が芽生えつつあったのかは不明。いずれにしろ暴走した彼はいずれ破壊される

運命にあったと思われるので、その前に自らの手で自らの「命」を絶ったのであればそれは所謂「自殺」。

 

「自殺」するのは「人間」である―――の定義に則るならばブラックも「人間」である、となります。

ちなみに↑の定義は『OZ』より拝借☆ ← オイ!

 

状況的には、宇宙人基地が海に落下。日吉とブラック・ボックスが幻夜と共に宇宙人基地へ移動。

逆に基地内から秀吉が地上へと強制転送。この時に彼は上着と刀を携えてきたわけですが、その中に

教授の望むモノが含まれていたのかについては待て次回(以降)v

 

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