「戦え! ボクらのコロクンガー!!」

42.The man of power who ridicules

 


 秋の夜長に何をするかは人それぞれ。しかし、いまはまだ昼間である。

 この季節はやたらと飾り言葉がつくことが多い。スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋………世はまさに天

高く馬肥ゆる秋、夏の暑さと冬の寒さの半ば。過ごしやすい陽気と天気は病人にとってこころ安らぐ時期でも

ある。冬の厳しさが到来する直前のおだやかさをこそいとおしむ。

 好きな学者の論文に目を通しながら紅茶をすすり、やわらかな陽射しが差し込む研究室で至福のひと時。

傍から見れば室内は書物で埋め尽くされている上に実験器具が散らばっていて狭苦しい限りだろうが本人は

全く頓着しない。竹中重治という若干16歳の少年は知識や教養は人一倍身についていても、少々、環境に対

して鈍感なようだった。

 のんびり紙をめくっていた彼は点灯したディスプレイの赤ランプに読書の中断を余儀なくされた。いつもなら

人との会話より読書を優先させるのだが、この赤ランプだけは特別扱いだ。数少ない友人が連絡してくれる

本当に僅かな機会………随分前から開発が進められていたテレビ電話。かなり普及していたのだが10年前

の争いで基地局の大半が破壊されて出直しを余儀なくされた。その間にVRボックスの発明、開発、中止を経

て、IP網を通じての電話は再開されてもテレビ電話の方はしばし存在を忘れられてしまったようだ。機材を揃

えられる家庭が少なかったことも原因のひとつだが、なに、単純にサービスが徹底していなかっただけだと教

授は考える。

 挨拶をかわした後は軽口の応酬だ。

『なんだ、また論文を読んでたのか? 少しは外に出て運動しろよ。気持ちいいぞ』

「そういうお前こそ昼間っから何をやってるんだ。部活はどうした、部活は」

『いまは中間テストの真っ最中だぞ。そんなんお役御免だよ』

 四角い電子画面の向こう側で友人が笑う。

 

 浅井長政。これでもれっきとしたWA製薬会社の御曹司である。

 

 医療関係で知り合った彼は、弟・重虎の先輩でもある。長政と出会ってしばらくしてからそれを知った教授

は「世の中は狭い」と感心した。

 それよりも、と画面の向こうで相手が身を乗り出す。

『この間いってたことがどうしても気になってさ。………本当に司令は大丈夫なんだろうな?』

「ああ、今日帰国する予定だ。とりあえず決戦は来月まで持ち越されたんだから良しとしておくよ」

『納得が行かない。政府はどうして庇いたてしてくれないんだ?』

「防衛隊は独立独歩。それが建前、本音はくさいものにフタ」

『なんだそりゃ』

 少年はため息と共に頭を抱え込む。未だ教授ほど裏の世界に足を突っ込んだ経験を持たない彼にはイマイ

チ理解しがたい状況なのだろう。

 先の国際会議で日本支部防衛隊総司令官・蜂須賀小六に対して退任要求が成された。これまで一国の司

令官に対してこれ程大掛かりな訴えがされた験しはない。それだけに出されてしまえば絶体絶命だ。他国と

比べて特に戦況が悪い訳でも不正を働いた訳でもないというのに。マトモな道徳観念を持った人間には理解

しかねる状態だ。

 が、裏を知ってる人間にしてみれば事情は明々白々。本当は先進国のほとんどが乗っ取られつつあるのだ

と真実を悟っていたところで世間に訴えかける方法もない。そんな事をすれば民間人がパニックに陥るだけ

だ。地球サイドにある上下関係、政府と民間人の溝をついた宇宙人サイドの作戦は見事、功を奏している。こ

のままでいてなるものかと決心を固めてはいるが………今すぐ、何か出来るわけでもない。影で様々な策を

弄してはいるけれど、それこそ口外厳禁の機密事項である。

 教授自身、かなり重要な任務を幾つも任されていた。ほとんどが最終段階までこぎつけているが、完成まで

まだ程遠い段階の計画もある。己に時間がないと分かっているだけに焦るが、時が流れなければどうしよう

もない作戦だってあるのだ。すぐにでも打ち出したい策があるのに時が来るまで黙って待たなければならな

い二律背反。短気な人間ならとうに爆発しているだろう。

『思わせぶりなセリフばっか口にするよな。まだ解禁にはならないのか?』

「その内にな」

 紅茶を飲みながら笑って誤魔化す。

 その内に話すと言う言葉に嘘はない。この親友には話しておきたいことが幾つもある―――いつか、すべ

ての戦いが終わったならば心行くまで会話を楽しんでみたい。物心ついてからいままで誰かととことん語り合

った経験を持たぬ重治である。興味がなかったと言う方が正しいかもしれない。どうせ短く終わる人生ならば

何も足跡を残さずに消えてしまうのが手っ取り早いと考えていた。家族は悲しむだろうけれど、出来れば最初

からいなかったものとして扱ってくれればいいのにと願っていた。

 僅かながら前向きに生きようかと思えたのは自分のために生き方まで変えてしまった兄と、この友人のおか

げである。

 

 だから、いつか、きっと。

 

「―――長政」

 隠し事の少しでも打ち明けておこうかと切り出した。

 瞬間。

 

(………?)

 

 妙な気配に口を閉ざした。誰かが研究室の廊下を歩いてくる。複数――音の反響からしておそらくふたり。

硬い印象を受けるのは革靴を履いているからだろう。規則正しい動きと乱れない歩調が鉄の意志を窺わせ、

また、厄介なことにこういった足音を奏でる人物は自らの正義を信じて疑わない。もしくは上からの命令に絶

対服従しているか、己の成した結果がどうなるかを知らぬ存ぜぬで押し通せるタイプが多い。

 しまったなと舌打ちする。久々ののんびりした空気に浸かりすぎて対処が遅れた。いつもなら疾うに逃げ出

していたものを。

『………どうした?』

 画面の向こうの友人が怪訝そうに眉をひそめる。

 来訪者の目的は不明だが、歓迎すべき内容ではないことだけは容易く想像が出来る。常は脱走したり変装

して誤魔化したりしていたが今回は無理そうだ………だから。

 

 悪いが、友よ。出来る限りのことを察してくれ。

 

「長政………頼んでもいいか?」

『! ―――ああ』

「いまからディスプレイの電源を切る。何が聞こえても、物音を立てずにいてくれないか」

 表情を険しくした友人に謝罪の言葉を重ねるより先に画面の電源だけを落とす。回線自体はまだ繋がって

いるから通話は可能だ。赤ランプが見えないように手近な書物で遮ったのちに、自身は何事もなかったかの

如く椅子に深く腰掛ける。手には論文、机上に紅茶。つい先刻まで読むことに熱中していて、誰とも話してな

どいなかったように。

 たっぷり60秒ほど待ったところでチャイムが鳴らされた。不在を決め込んでも意味がない。それぐらい、受付

で確認済みだろう。

 ため息をつきながら「どうぞ」と応えを返す。ドアを押し開けてきたのは想像通りの背広に身を包んだ政府高

官で、頭が痛くなる。片方が女性だったのは多少意外だったけど。

「竹中重治教授ですね」

「そうですが」

 眼前に突きつけられたのは防衛庁所属を示す手帳。付き添いの女性も同じ身分証明書を提示した。いかめ

しい顔で手帳を胸に仕舞いこみながら居丈高に命令する。

「お取り込み中のところを申し訳ございませんが、ご同行願います」

「―――何故ですか」

 やはりそう来たかと内心で苦笑する。

 残念ながら日本の幹部もかなりが乗っ取られてしまっているのだ………こちらの調査で判明している。例え

目の前のふたり自身は洗脳されていなくとも、直属の上司が操られているのなら結果は同じである。確か防

衛庁のお偉いさんも何人かブラックリストに載ってたよな、と記憶のページをめくる。

 とにかく可能な限りの情報を伝達しなければ。

「わたしは現在、研究室での待機を命じられています。一体どこからの命令で、どこへ行けというのですか。見

たところ政府の―――」

 政府、のところを強調する。

「いえ、防衛庁の方でしたね。あなたは何の権限があってわたしを連行しようというのですか」

「連行などと人聞きの悪い言い方をしないで頂きたい。ただちょっと、調査にご協力いただきたいのですよ」

「教授にとっても有益な話だと思いますわ」

 女性がにこやかな笑みで付け足す。大抵の男性ならクラッときそうな甘い表情だ―――が、セクシュアルな

方面にまったくといっていいほど興味のない重治にぶつけてもあまり意味がない。一般には血気盛んなお年

頃のはずなのだが、病弱な人生送っていると性的欲求が薄まってしまうものらしい。自分が生き延びるのに

精一杯で子孫繁栄の夢まで見ていられないというか何というか。

「わたしの論文よりも有益なお話ですか? いまはちょっと取り込み中ですので、また日を改めてお出で頂く

事はできませんかね」

「あら、名のある日本の科学者たちとの会談ですのよ。どうしても竹中教授にご指導頂きたいとたっての願い

を受けてしまっておりますから。泣き落としてでもご同行頂かないとわたくしが叱られてしまいます」

 続いて浮かべたのは軽い冷笑。それでも先程の媚びを売るような微笑よりなんぼかマシだ。

 男性が一歩、踏み出す。

「教授―――あまりごねずに付いて来て頂けませんか。折角の名声に傷をつけたくはないでしょう」

 別に名声なんてどうでもいいんですケド。

 などと本音をもらせば、この手の人物はますます意固地になるのだろう。重治が浮かべるのは常より遥か

に毒の含まれた嘲り。

「ならば最初からそういえばいい。強制的に引っ立てるのだ、とね。ふたりで来たのもその為なのだと」

「話が早くて助かりますよ。さあ、手を上げて」

 窓を背景に肩をすくめて、仕方なしに両手を挙げる。‘降参’のポーズを取らされただなんて口が裂けても兄

弟にはいえない。ツカツカと歩み寄った男は白衣のポケットを探り、懐から薄いカードを取り出した。チラリと目

をやって、やがて教授に視線を転じる。

「これが噂のバイオPCですか。………没収させて頂きますよ」

「どうぞ」

 バイオPCの存在まで知っているとはかなりのモノだ。夏頃、帰国した自分を迎えに来てくれた信長や藤子と

共に東京タワーで強襲されたことがあった。外部との情報伝達に役立ったバイオPCを取り上げられてしまっ

てはさすがにつらい。思案しているところなどおくびにも出しはしなかったけれど、段々と行く先を想像して気

が重くなった。

 ………覚悟のしどき、なのかもしれない。

 右手を男性に、左手を女性に挟まれて出口へ向かう。ドアを潜り抜ける瞬間に少しだけ背後に目をやった。

咎め立てられる前に戻された視線の先に何があったのかを知るのは教授ひとりだけ。

「―――目的地は? 車で移動するんでしょうね。飛行機とかいったら飛び降りますよ」

「そこまで時間は取りませんよ。せいぜい30分といったところですから我慢してください」

 

 ………パタン。

 

 硬い音と共に扉が閉められて、ひとの消えた研究室には静寂だけが残った。

 大量の本や資料で埋め尽くされた机の向こう、暗い画面をさらけだすコンピューター。

 

 通話中を示す赤ランプが2度、点滅して消えた。

 

 

 

 周囲の薬品の匂いが鼻をつく。置かれた薬品の中にはちょっと倒しただけで机が溶けてしまうような劇薬だ

ってある。コンピューターにそれぞれの情報を打ち込みながら、何か新しい薬品や研究結果が報告されては

いないかと時にネットに繋いでみる。それでなくともここは医療の最先端なのだから、あまり急いで技術をあさ

ることもないのだけれど。

 自らの研究室で竹中重行は眉間にしわを寄せながら考え込んでいた。

 

(あと、3年―――)

 

 3年で、尽きる、命。

 始まった頃はどうにかなると信じていた。努力して叶わないことなど殆どないと思っていた。しかし、徐々に

期日が近づくに連れて己の余裕がなくなってくるのがわかった。何故、何故20年などという上限が設けられて

いるのか。頼むからもう少し長く、一日でも長く。どうして‘彼ら’だけが短い生を送らねばならないのだ、世の

中には無駄に生き永らえている奴も多いというのに。

 弟は不治の病におかされている。好き好んで病にかかるものか、生まれつきだ。弟が発病した時の自分は

まだ高校生で、弁護士の資格を得ようと勉強している真っ最中だった。

 だが―――どうにかしたいと。頼りにならぬ周囲の町医者や医薬品に頼るよりも、自らが最先端の技術を

取得するのが手っ取り早いと考えた。

 どうして夢を諦めるのかと弟は詰ったが意に介さない。それこそ事故や病気でという突発的状況が起こらな

い限り、自分にはまだまだ時間がある。10年余りを弟の為に費やしても尚まだ数10年分の猶予がある。当時

の弟は6歳、最大限の寿命、14年分の時間すべてを捧げても惜しくないと思えたのだ。

 苛立たしげに指先で机の端を叩く。

 留学するに当たっても特に反対しなかった。やりたい事をやればいいというのが彼の持論で、両親やもうひ

とりの弟が寂しがる事はわかっていても、ようやく弟が執着できる対象を見つけ出したなら、例えそれが薄暗

い研究室における時空間論理の構築であれ薀蓄であれ、呆然と命つきる日を待つよりは余程いいと感じた。

 そして、3年―――タイムリミットまで3年の月日を過ぎたならば、本当に何をしてもよいと。空言を交わした

のが少しだけ悔やまれる。日本に帰るのはいい。でも、勤め先に防衛隊を選ぶのは。

 それこそいつ死ぬかわからない職場に投げ込むのは躊躇われた。だが司令官と話をして人柄は信頼でき

たし………少なくとも、他の研究所のように弟を実験対象にしようという考えはないようだったから。

 

‘天才は生きていてこその宝、だから生きている内に出来る限りの情報を提供すべきだ’

 

 そんな理論を持つ人種が少なからずいる。別に天才が知識や理論を脳内に留め置こうと捨て置こうとどうで

もよいではないか。「人類の損失だ」と叫ばれても天才にとっては研究さえ出来ればあとはどうでもいい。だの

に知識を寄越せ、知恵を出せと、隙あらば彼らの脳みそを引っ掻き回そうとする輩が後を絶たない。もし今後

の科学の進歩によって‘死後’の能から情報を引き出せるようになったならば―――余計な良心も感情もなく

てすむと、容易く彼らを殺して情報を得に走る連中が増えるに違いあるまい。重行は人間の本性をあまり信

用していなかった。

 直通のベルが突如鳴り出す。素っ気無く受話器を取り上げて答えた。

「はい、竹中ですが―――」

『重行さんですか!?』

「………長政くん?」

 予期せぬ人物からの電話に彼は目をしばたかせた。確かに重治の友人である彼にはここの番号を教えて

はいたけれど、これまで1回もかけてきた事はなかった。今日に限ってどうしたというのだろう。

「どうしたんだ一体。君、いま長野にいるんだろう? 重治は研究室に行くと―――」

『知ってます。ついさっきまで俺と電話してましたから。ああ、でも………くそっ、俺、混乱してますね』

 受話器の向こう側で長政が頭をかきむしる様が目に見えるようだ。

 しばしの沈黙、深呼吸。相手は改めて切り出した。

『重行さん、政府の高官があいつに面談しに来る予定なんて入ってました?』

「いや。初耳だ」

『ほんの5分ほど前ですけど、研究室に突然防衛庁の男女がやって来たんです。有無をいわさずあいつを連

れて行きましたよ。名のある科学者たちとの対談とかいって』

「―――何だって?」

 立ち上がった際に椅子が揺れた。舞い散る書類に目もくれず表情を険しくする。

『おかしいじゃないですか。バイオPCまで取り上げて、名声にキズをつけたくはないだろうなんて脅して、行き

先も告げないんですよ』

「行き先は」

『わかりません………ただ、車で30分ぐらいのところらしいですけど』

「そうか。すぐに手を打つ。連絡ありがとう」

 いささか乱暴に受話器を置くと、忙しなく部屋の中を歩き回る。弟に連絡を取ろうと専用の携帯を鳴らしてみ

るが、まったく返事がこない。いつもなら2、3回でなんらかの反応が返ってくるというのに。不安だけが募る。

 ―――何故だ? 防衛隊に入ることで、少なくとも日本政府からの妨害はなくなったはずなのに。

 確か先日………司令はこれまでの失態の責任を問われてややこしい状況に立たされていると聞いた。

 

 いや、あの人に限ってまさかそんな。しかし。もしかして。

 

 無意識の内に指が短縮の3番を押していた。数回のコール音、これまでも幾度か相談する為にかけたこと

のある直通電話。自動オペレーティングシステムによって移動先の本人の電話へと転送される。今日、帰国

すると新聞に載っていた―――捕まらないとはいわせない。

 プツ、と回線が道をあける。

『蜂須賀だ。竹中博士か? すまんがいま移動中でな―――』

「裏切ったな」

『―――何の事だ』

 ベル越しに聞こえる微かな振動。おそらく空港に到着して、基地に向かっている真っ最中なのだろう。蜂須

賀小六の男気を疑う訳ではないが他に手がかりもない。

「弟の安全はあんたが保証してくれるはずじゃなかったのか。わたしも甘かった、まさか裏でこんな企みを働

かせているなどと」

『待て、悪いがちょっと待て。全く話が見えないぞ、なんのことだ』

「とぼけるな。ついさっき重治を防衛庁関係者が連れ去ったと連絡が入ったぞ。わたしも連絡がつかない」

『教授に手出しなどしていない』

「じゃああいつは何処に消えたっていうんだ! 研究所に入れるのはあんたらぐらいしかいないだろう!?」

 濡れ衣だ、ただの八つ当たりだ。そう冷静に判断するこころもあったけれど、とにかく焦っている自分には感

情の抑制もできなかった。白衣を投げ捨てると代わりに手近な上着を引っつかんだ。戸締りもそこそこに部屋

を飛び出す。何事かと問い掛ける受付嬢も無視する。

 携帯に別の声が割り込んだ。どうやら同乗者がいたらしい。

『………よっ、悪いな。五右衛門だけど。もう少し情報くんねぇ? 確か教授って防衛隊の特製リング持ってた

だろ。あれで辿れないか探ってみるからさ』

「―――研究所から車で30分以内。それだけだ」

『了解。軌跡を辿る』

 第三者の登場に少し落ち着いた重行はその足で裏の駐車場に向かうと、ポケットからキーを取り出した。相

変わらず耳には電子音が響いている。五右衛門自身のリングを使って仲間の行方を調べているのだろう。小

さいながらも高性能なリングには連携を取る為、位置関係も掴める様になっていた。

 また電話の相手が司令に戻る。

『ヒットしたぞ。聞いた限りじゃ研究所なんぞなさそうな地域だがな』

 市区町村と共に番地まで詳しく伝達される。リングの示す重治の所在地はそこで停止したらしい。さいわい

自分ならば10分程度でつけるような近距離だ。

『俺たちはこの足で現地へ向かう。なぁに、飛ばせば15分もかからないだろう。あんたはどうする』

「行くに決まっているだろう!」

 エンジンがあたたまるのもそこそこにアクセルを踏み込んだ。

 

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本当は今回で終わるはずだったんですけど、長くなったんで2回に分けちゃいましたv

以前もあったよなこーゆーコト(苦笑)。

タイトルを直訳すれば「嘲笑う権力者」。教授たちもよくよく考えれば「権力者」の内に

入るんですが、その辺りは快く無視しておきたいと思います☆

 

前回から引き続いて教授がなんとなくピンチです。わりとあっさり捕まったように見えますが、

それは長政くん達を信頼しているのだと考えて頂きたい。 ← 偉そう。

学者ってのはある意味救いよーのない人種だと思います。研究対象にのめり込んで、危険とわかっていても

結果が得られるのなら無茶をしてしまう。真の意味での‘探求者’ってぇのは常に危うい側面を

持っていると思うのですがこれって偏見ですかね………。

竹中教授は数本、ネジが外れているタイプにマチガイありませんケド(笑)。

 

ちなみに今回のポイントはリングです。これについても前期シリーズで伏線が貼られていますので、

気が向いたら捜してやってください♪ 次の展開が面白いほどに読めますから(断言)。

 

さて、次回こそ教授にトドメを刺さないとナ! ← ちょっと待て。

 

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